299 WORKS 299 WORKSBY 299工場長
299 WORKS / JOURNAL 052 ARTICLES + 1 TOOL / JUL 2026
GSX-RR / CHAIN / CALCULATION / 3D PRINT

GSX-RRのチェーンを自作する。

チェーン本体の形を作ることより、前後スプロケットへ正しく一周させる方が難しい。そこで、ピッチ、歯数、軸間距離、偶数コマ、下側経路をまとめて計算し、再制作と299 Chain Builderへつなげました。

設計図と299 Chain Builder、3D出力した自作チェーン部品を並べた制作風景
SCALE1/12
FRONT15T
REAR42T
LINKS122

01 / PROBLEM

寸法が合っても、閉じるとは限らない。

CHAIN GEOMETRY

正規のピッチと、実測した軸間距離。それだけでは、一周する保証がない。

PITCH

ピッチを変えると、チェーン全長だけでなくスプロケットの基準円径も変わります。

LINK COUNT

チェーンは偶数コマで構成します。1セットの増減でも、模型上では長さが大きく変化します。

PATH

下側へたるみを加えると経路が長くなり、接点と円弧の条件も同時に変わります。

02 / CALCULATION

必要な数値を、まとめて計算する。

299 CHAIN BUILDER
01

規格を選ぶ。

400系または500系と、模型スケールを選択します。

02

歯数を入力。

前後スプロケットの歯数、または模型上の実測外径を入力します。

03

軸間を測る。

模型上の前後スプロケット中心間距離を入力します。

04

経路を選ぶ。

下側を直線にするか、指定範囲でたるみを加えるかを選びます。

05

CADへ渡す。

コマ数、基準円径、接点座標、円弧半径を使って作図します。

03 / GSX-RR

実際の模型で、再制作する。

ADOPTED VALUES
CHAIN500系
FRONT15T
REAR42T
CENTER60.5mm
TOTAL122コマ

最終接続部の差は約0.09mm。模型用途では十分に無視できる範囲で、61セット、122コマが一周しました。計算結果を基準にできたため、寸法が合わないときも作業ミスを早く発見できました。

困った計算を、使える道具へ。

チェーンを一度作るだけなら、CAD上で何度も調整する方法でも完成できます。しかし、作業の途中で必要な数値を整理したことで、再制作が速くなり、同じ問題へ使える専用ツールにもつながりました。